はじめに
Claudeは強力なAIアシスタントですが、ローカルファイルシステムと連携させることでさらに活用の幅が広がります。今回は、Windows 10環境でClaudeのMCP(Model Context Protocol)サーバーを構築する方法について解説していきます。
必要な環境とツール
MCPサーバーを構築するためには、Node.jsの環境が必要不可欠です。Node.jsは、MCPサーバーを動作させるための基盤となるプラットフォームです。
Node.jsのインストール手順
- まず、Node.js公式サイトからLTS(Long Term Support)バージョンをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、指示に従ってインストールを完了させます。
- インストールが完了したら、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行し、正常にインストールされたことを確認します:
node -v
npm -v
これらのコマンドを実行すると、それぞれのバージョン番号が表示されるはずです。
MCPサーバーのセットアップ
パッケージのインストール
Node.jsのインストールが完了したら、次はMCPサーバーのパッケージをインストールします。コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行します:
npm install -g @modelcontextprotocol/server-filesystem
このコマンドにより、ファイルシステム用のMCPサーバーがグローバルにインストールされます。
設定ファイルの作成と編集
次に、Claude Desktopの設定ファイルを作成します。以下の手順で行います:
- エクスプローラーのアドレスバーに
%APPDATA%\Claude
と入力し、対象フォルダを開きます。 - このフォルダ内に
claude_desktop_config.json
という名前の新しいファイルを作成します。 - 作成したファイルに以下の内容を記述します:
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "C:\\Program Files\\nodejs\\node.exe",
"args": [
"C:\\Users\\あなたのユーザー名\\AppData\\Roaming\\npm\\node_modules\\@modelcontextprotocol\\server-filesystem\\dist\\index.js",
"C:\\Users\\あなたのユーザー名\\見せたいフォルダのパス"
]
}
}
}
※ パスの設定では、以下の点に注意が必要です:
あなたのユーザー名
は実際のWindowsユーザー名に置き換えてください見せたいフォルダのパス
はClaudeにアクセスさせたいフォルダの実際のパスを指定します- パス区切り文字のバックスラッシュ(\)は必ず二重に記述してください
設定の適用と動作確認
- 設定ファイルの保存後、Claude Desktopを再起動します。
- 再起動後、チャットウィンドウの右下に金槌のアイコンが表示されていれば、MCPサーバーは正常に動作しています。
- 動作確認として、設定したフォルダ内のファイル一覧をClaudeに質問してみましょう。
トラブルシューティング
設定後にMCPサーバーが正常に動作しない場合は、以下の点を確認してください:
- Node.jsが正しくインストールされているか
- パスが正しく設定されているか
- バックスラッシュが適切にエスケープされているか
- 設定ファイルのJSON形式が正しいか
まとめ
Windows 10環境でClaudeのMCPサーバーを構築する方法について解説しました。正しく設定することで、Claudeはローカルファイルシステムにアクセスできるようになり、より強力なアシスタントとして機能します。設定手順は少し複雑に見えるかもしれませんが、一つ一つ丁寧に進めることで、確実にセットアップを完了させることができます。