Windows環境でClaude DesktopにPuppeteer機能を導入

はじめに

ウェブスクレイピングやブラウザ操作は、デジタル時代の重要なツールとなっています。このガイドでは、Claude DesktopにPuppeteer MCPサーバーを導入し、AIアシスタントにウェブページの操作やデータ収集を可能にする方法を解説します。

基礎環境の構築

Node.jsのセットアップ

Puppeteerを動作させるためには、まずNode.js環境が必要です。Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドで実行するためのプラットフォームで、以下の手順でインストールします:

  1. Node.js公式サイトにアクセスし、LTS(Long Term Support)バージョンをダウンロードします。
  2. ダウンロードしたインストーラーを実行し、標準的なインストール手順に従います。
  3. インストールが完了したら、以下のコマンドで正常にインストールされたことを確認します:
   node -v

バージョン番号が表示されれば、インストールは成功です。

Puppeteerのインストール

Node.jsのインストールが完了したら、次はPuppeteerをインストールします。Puppeteerは、Chromeブラウザを自動操作するためのNode.jsライブラリです:

npm install -g puppeteer

このコマンドを実行すると、Puppeteerとそれに対応したChromiumブラウザが自動的にインストールされます。Chromiumは、Puppeteerが使用する特別なバージョンのブラウザです。

MCPサーバーの構築

Puppeteer MCPサーバーのインストール

次に、Claude DesktopとPuppeteerを連携させるためのMCPサーバーをインストールします:

npm install -g @modelcontextprotocol/server-puppeteer

このコマンドにより、PuppeteerのMCPサーバーがシステム全体で利用可能になります。

Claude Desktopの設定

続いて、Claude Desktop側の設定を行います。この設定により、ClaudeがPuppeteerを通じてウェブブラウザを操作できるようになります:

  1. まず、設定ファイルを配置するフォルダを開きます:
  • エクスプローラーのアドレスバーに %APPDATA%\Claude と入力し、Enterキーを押します。
  1. claude_desktop_config.json という名前のファイルを作成または編集し、以下の内容を記述します:
{
  "mcpServers": {
    "puppeteer": {
      "command": "C:\\Program Files\\nodejs\\node.exe",
      "args": [
        "C:\\Users\\あなたのユーザー名\\AppData\\Roaming\\npm\\node_modules\\@modelcontextprotocol\\server-puppeteer\\dist\\index.js"
      ]
    }
  }
}

この設定ファイルで注意すべき重要なポイント:

  • あなたのユーザー名 の部分は、実際のWindowsのユーザー名に置き換える必要があります。
  • パスの区切り文字であるバックスラッシュ(\)は、JSONファイル内では必ず二重に記述してください。
  • Node.jsの実行ファイルのパスが正確に指定されていることを確認してください。

設定の反映と動作確認

設定の適用方法

すべての設定が完了したら、以下の手順で設定を反映させます:

  1. Claude Desktopを完全に終了します。
  2. アプリケーションを再起動します。
  3. 再起動後、チャットウィンドウの右下に金槌のアイコンが表示されていることを確認します。

機能テスト

設定が正しく行われたかどうかを確認するため、以下のようなテストを行うことをお勧めします:

  1. 簡単なウェブページのスクリーンショット取得を依頼する
  2. 特定のウェブページの情報収集を依頼する
  3. フォーム入力やボタンクリックなどの基本的なブラウザ操作を依頼する

トラブルシューティング

設定後に問題が発生した場合は、以下の点を確認してください:

  • Node.jsが正しくインストールされているか
  • Puppeteerが正常にインストールされているか(特にChromiumブラウザが正しくダウンロードされているか)
  • パスが正確に記述されているか
  • JSON形式が正しいか
  • ファイアウォールやセキュリティソフトがPuppeteerの動作を妨げていないか

セキュリティ上の注意点

Puppeteerはウェブブラウザを自動操作する強力なツールです。そのため、以下の点に注意が必要です:

  • 信頼できるウェブサイトのみを操作対象とする
  • 個人情報やセンシティブな情報の取り扱いには十分注意する
  • 対象サイトのロボット排除規約(robots.txt)を確認し、遵守する

まとめ

このガイドでは、Windows環境でClaude DesktopにPuppeteer機能を導入する方法について詳しく解説しました。Puppeteerを導入することで、Claudeはウェブページの操作やデータ収集といった高度なタスクを実行できるようになります。設定手順は複雑に見えるかもしれませんが、一つ一つ進めることで、確実にセットアップを完了。

この機能を活用することで、ウェブスクレイピングやブラウザ自動化タスクを、より効率的に実行できるようになりました。